【医薬品医療機器総合機構】安全性・有効性及び品質の高い医薬品がより早く確実に開発され上市されるよう技術的要件に関する国際調和を目指す。
- 広告用アカウント any creative
- 数秒前
- 読了時間: 3分
薬学部卒業後の進路
難波 友香莉さん
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)
医薬品安全対策第二部
(併)医療品安全対策第一部 調査専門員

PMDAは、「健康被害救済」、「承認審査」及び「安全対策」の三つの業務を柱とし、より有効で、より安全な医薬品、医療機器、再生医療等製品等を、より早く医療現場に届け安全に使ってもらうべく、開発段階から市販後までにわたって、これらの品質、有効性及び安全性の確保に関する業務に携わっている組織だ。難波友香莉さんが所属する医薬品安全対策第二部は、抗がん剤等の医薬品の安全対策業務を担当する部門であり、医薬品の安全性情報の収集・調査・情報提供を行うとともに、医薬品規制調和国際会議(ICH)などの安全対策に関する国際業務も担当している。
ICHは、製薬企業の国際化に伴い1990年に発足した。日米欧それぞれが独自に整備した医薬品承認審査では重複した試験を数多く行う必要が生じ、膨大な時間とコストがかかる。限られた資源を有効に活用しつつ安全性・有効性及び品質の高い医薬品がより早く確実に開発され上市されるよう、技術的要件に関する国際調和を目指している。
難波さんは大学時代、医薬品開発規制科学の研究室に所属し、インターンとしてアメリカ食品医薬品局(FDA)で行政官の仕事を学んだ。それらの経験が現在の仕事に生きている。
大学での学びは普段の業務にも直結している。薬と副作用の関連性を評価するうえで薬理や薬物動態の知識は欠かせない。ただし、疾患の知識や疫学・統計学の知識など「入社してから学ぶことも少なくありません」と難波さん。
抗がん剤は治験で得られる情報は限定的で、市販後多くの人に投与されると副作用の報告数も増える。難波さんたちは報告内容を評価し、添付文書の改訂や患者向け情報資材の作成に関わる。学会や論文の新たな副作用情報にも目を光らせている。
PMDAには、薬剤師だけでなく、医師、歯科医師、獣医師、疫学のスペシャリストなど多様な背景のスタッフがいる。他職種と協働していくため協調性が欠かせない。業務は基本的にデスクワークや製薬企業とのやり取りが中心で医療現場に出かけていくことはほとんどないため、難波さんは「自分が関わる成果物の先に医療従事者、患者さんがいることを常に意識するように心がけています」と話す。難波さんにやりがいを聞いた。
「患者さんにじかに接することはありませんが、治療に影響する情報の発信や安全対策に関わることで多くの患者さんの治療に貢献できます。そこが魅力だと思っています」
Profile
難波 友香莉さん
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)
医薬品安全対策第二部
(併)医療品安全対策第一部 調査専門員
2018年薬学部卒業。大学では英語劇のサークルに所属。演じ手よりは、脚本や演出など作り手としての活動が主だった。活動的な性格で、趣味は海外旅行。