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【都道府県庁】地域のためにベストの選択肢を模索する公務員薬剤師。

薬学部卒業後の進路


鈴木 克弥さん

栃木県保健福祉部

国保医療課兼感染症対策課 主任

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 鈴木克弥さんは、薬学部を卒業後、製薬企業に就職、MRとして4年間勤務した。その後、栃木県庁に転職し、保健所2カ所で6年間にわたって食品衛生、薬事、医事などに関する業務を担当、2022年からは本庁の保健福祉部国保医療課に異動した。

 転職の際に公務員を選んだのは、当時、結婚するにあたって全国への転勤がない勤務先を探していたのと、「どうせ転職するなら全く知らない世界を見てみたい」という思いがあったためだ。薬学部在学中に公務員試験の対策講座を受けていたことも、選択の後押しとなった。

 新型コロナウイルス感染症に関する業務が人手不足であるため、国保医療課に異動後すぐに4月から感染症対策課ワクチン接種推進班に動員され、現在(2022年12月)もその任務に当たっている。

 今は直接患者さんに接する機会はほとんどないものの、薬学部での学びは確実に仕事に役立っているという。

 「公務員は何かしらの法令に基づく業務を行います。当然、薬事法規の授業で学んだことは役立ちます。生化学の授業で学んだPCR法、mRNAなどに関する知識は、今回の新型コロナウイルス感染症に関する業務で役立ちました。カンピロバクターやノロウイルスに関する学びは保健所の食品衛生に関する業務で、医薬品全般に関する学びは薬事に関する業務で、それぞれ役立ちます。部署により必要な薬学的知識の度合いは異なりますが、薬学部での学びが仕事の中で活きていると思います」

 鈴木さんに仕事で心がけていることを聞いた。

 「地域住民のためにベストの選択肢は何か常に考えることを心がけています。実績が評価されれば、自分の望む部署への異動にもつながります。そのためにも、行政マンとしての自分を成長させていきたいと思っています」

 鈴木さんは、出身大学の進路担当の教員とつながりがあり、年に一度、後輩たちに向けて公務員薬剤師の仕事の紹介をしている。学生たちに伝えたいことを聞いた。

 「私が新卒で就職するときは、3割が医薬品関連企業、3割が病院、3割が薬局・薬店を目指し、残りの1割がその他で、その中でも公務員を志望する学生は数人でした。この世界に入って、公務員の地域におけるリーダーとしての役割、裁量の大きさを知りました。薬剤師が活躍できる場所は企業や病院、薬局だけではありません。進路について考える際にはぜひ広い視野で臨んでほしいと思います」


Profile

鈴木 克弥さん

栃木県保健福祉部

国保医療課兼感染症対策課 主任

2012年薬学部卒業。製薬企業勤務を経て2016年に栃木県に入庁。趣味の卓球は、中学校時代に宇都宮市の大会でベスト8に残ったほどの実力。県庁の卓球部に所属し、毎年、栃木、茨城、群馬、神奈川の4県庁大会に参加している。大会の際に、開催県の観光地をたどるのも楽しみの一つ。


※MR(MedicalRepresentatives):医薬情報担当者の略称で、自社医薬品の適正使用および薬物治療の向上に貢献するために、医薬品の品質・有効性・安全性等の情報を扱う医薬品情報の専門家


 
 
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